読書逍遥

読書逍遥第196回 『細胞』(上・下) (その14)ジッダールタ・ムカジー著

冨田鋼一郎

『細胞』(上・下) (その14)ジッダールタ・ムカジー著

副題 生命と医療の本質を探る
原題 The Song of the Cell
An Exploration of Medicine and the New Human

「細胞の歌」

私たちは細胞や細胞システムの名前を挙げることはできるが、細胞生物学の「歌」はまだ学んでいない

私たちの課題
・細胞
・器官(腎臓、心臓、肺など)
・細胞システム(免疫細胞、神経細胞など)

レーウェンフック
独立した単一の生きたブロックの集合体として身体をとらえた

ルドルフ・ウィルヒョウ
身体を「市民の集まるところ」ととらえ、細胞病理学の礎を築いた

アミタブ・ゴーシュ近著『ナツメグの呪い』
熱帯雨林での青年の言葉
「俺は木の名前は覚えたが、まだ歌は学んでいません」
細胞の相互関連性についての理解がまだ道半ばである 

疑問 たとえば
○なぜ肝臓と脾臓はほぼ同じ大きさで解剖学的にも近い位置にあり、実質上、血流を共有しているにもかかわらず、片方(肝臓)はがんが最も転移しやすい器官のひとつなのに対し、もう一方(脾臓)にはがんがめったに転移しない 何故か?

○パーキンソン病の患者のがんの罹患率が極端に低いのはなぜだろう?

本書を終えるにあたり、20世紀の科学における最も深遠な哲学的資産と、その限界について考える時が来た。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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