読書逍遥

読書逍遥第127回 『孤独の研究』木原武一著

冨田鋼一郎

『孤独の研究』木原武一著

人生の最高の友であり、最大の敵でもある孤独との付き合い方とは?

私たちは少しずつこの世で無用の存在となっていくのは避けられない。老いゆく時間をどのような心もちで過ごしていくのか、そのヒントを得たい。

古今東西9人に孤独の有り様を探る。
ニーチェ、ショーペンハウアー、グレン・グールド、ピュリツァー、ハワード・ヒューズ、アミエル、モンテーニュ、ソロー、プルースト

モンテーニュ『エセー』より
「自分が他人にとって、無用な、荷厄介な、迷惑なものとなるこの没落の年齢には、自分が自分にとって、迷惑な、荷厄介な、無用なものとならないように注意しなければならぬ。自分を喜ばせ、自分を可愛がりなさい。とくに自身を抑えなさい。自分の理性と良心を敬い、畏れなさい」

孤独に関し、人間を次の三種類に分ける。
孤独を楽しむことのできる人
孤独からすぐ逃げだそうとする人
我慢して孤独に耐えようとする人

「宇宙船からソローのような目で地球と地球に住む人々を見ることができたとしたら、孤独についての見方が一変するに違いない。そして、地球上にすむかぎりだれも孤独ではないことに気づくと同時に、この宇宙において自分自身はたったひとりの存在であることにも気づくに違いない。自分はこの世にひとりしかいないのだ。」

ひとりでいても楽しむことのできる人とはどういう人だろう。

⭕️さびしさもうれしくもあり秋の暮 蕪村

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました