読書逍遥第306回『文明の主役 エネルギーと人間の物語』(その4) 森本哲郎著 2000年発行
冨田鋼一郎
有秋小春
人生の最高の友であり、最大の敵でもある孤独との付き合い方とは?
私たちは少しずつこの世で無用の存在となっていくのは避けられない。老いゆく時間をどのような心もちで過ごしていくのか、そのヒントを得たい。
古今東西9人に孤独の有り様を探る。
ニーチェ、ショーペンハウアー、グレン・グールド、ピュリツァー、ハワード・ヒューズ、アミエル、モンテーニュ、ソロー、プルースト
モンテーニュ『エセー』より
「自分が他人にとって、無用な、荷厄介な、迷惑なものとなるこの没落の年齢には、自分が自分にとって、迷惑な、荷厄介な、無用なものとならないように注意しなければならぬ。自分を喜ばせ、自分を可愛がりなさい。とくに自身を抑えなさい。自分の理性と良心を敬い、畏れなさい」
孤独に関し、人間を次の三種類に分ける。
孤独を楽しむことのできる人
孤独からすぐ逃げだそうとする人
我慢して孤独に耐えようとする人
「宇宙船からソローのような目で地球と地球に住む人々を見ることができたとしたら、孤独についての見方が一変するに違いない。そして、地球上にすむかぎりだれも孤独ではないことに気づくと同時に、この宇宙において自分自身はたったひとりの存在であることにも気づくに違いない。自分はこの世にひとりしかいないのだ。」
ひとりでいても楽しむことのできる人とはどういう人だろう。
⭕️さびしさもうれしくもあり秋の暮 蕪村