読書逍遥

第29回『先生はえらい』内田樹

冨田鋼一郎

『先生はえらい』内田樹

60歳、教壇に立つようになり、良い授業とは何かと自問するようになった時に出会った本。「先生はえらい」とはどんな本だろうと興味を持った。

○教習所とF-1ドライバー
○オチのない話
○前未来形で語られる過去
○原因と結果 沈黙貿易 
○誤解のコミュニケーション
○謎の先生 誤解者としてのアイデンティティ
○張良 沓を落とす人 学びの主体性

何度も読み返してようやく腑に落ちた。目からウロコとはこのことだ。

「師弟関係というのは、基本的に美しい誤解に基づく」
「先生の素晴らしさを知っているのはこの世に私しかいない。だから生きなければならない。」

本書は、現場で悩める多くの教師たちへの応援讃歌である。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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