読書逍遥第130回 『海の歴史』ジャック・アタリ著
冨田鋼一郎
有秋小春
60歳、教壇に立つようになり、良い授業とは何かと自問するようになった時に出会った本。「先生はえらい」とはどんな本だろうと興味を持った。
○教習所とF-1ドライバー
○オチのない話
○前未来形で語られる過去
○原因と結果 沈黙貿易
○誤解のコミュニケーション
○謎の先生 誤解者としてのアイデンティティ
○張良 沓を落とす人 学びの主体性
何度も読み返してようやく腑に落ちた。目からウロコとはこのことだ。
「師弟関係というのは、基本的に美しい誤解に基づく」
「先生の素晴らしさを知っているのはこの世に私しかいない。だから生きなければならない。」
本書は、現場で悩める多くの教師たちへの応援讃歌である。