第100回 『中世ヨーロッパ全史』(その2)ダン・ジョーンズ
冨田鋼一郎
有秋小春
グレタ・トゥーンベリが世界の科学者たちからの寄稿を纏めた私たちグローバルノースへの告発の書。グローバルノースの過去と現在の責任を問う本の最後のメッセージが耳に刺さる。
「グローバルノースの人々が正直であれば、すでに影響を受けている何十億もの人々のためにも、自分自身の子どもたちのためにも、排出量をすぐさま削減するだろう。だが彼らは正直になっていない。むしろ、あらゆる必要な変化を遅らせ、通常通りの業務を続けるための強力な武器として希望を使っているのだ。
気候正義は、グローバルノースが過去と現在の不正行為を認め、損失と損害の賠償をすることで、修復のプロセスを始めることなのだ。私たちの過去は今日もしっかりと息づいているからだ。
世界の経済格差やワクチンの不平等、汚染、あるいは急速になくなっている炭素予算など、一部の人間が残された天然資源を使い尽くす割合をとにかく見てみるといい。
気候危機は、人類がこれまで直面したなかで最大の難題だ。しかし、これは私たちの過去の過ちを正す機会でもある。この危機を、そこに人類を陥らせた同じ方法やものの見方で解決することはできない。
真実は、この危機で最も影響を受けるあなた方の側にある。道徳はあなた方の側にある。正義はあなた方の側にある。あなたが声を上げ、貸しを返せと要求することを私は強く勧める。」
[大加速化 great acceleration]
私たちグローバルノースの世代は、この大加速化を起こした責任がある加害者である。
大加速化を裏付けるデータはすでに揃った。