読書逍遥

第25回 『渡辺崋山』ドナルド・キーン

冨田鋼一郎

『渡辺崋山』ドナルド・キーン

2014年10月13日、大隈講堂で「早大創立125周年記念講演会シンポジュームがあった。ここでキーンは「日本文学と世界」の基調講演を行った。
公演後、『渡辺崋山』にサインを頂いた時のことを思い出す。
(私)「なぜ崋山を書こうと思ったのですか」
(先生)「『明治天皇』を書いている最中、明治天皇の短歌に接し、天皇の育った江戸末期に興味がわき、その中で目に留まった人物が崋山だった。」

その後、晩年になっても興味に従って「正岡子規」「石川啄木」と評伝を次々と書き進めた。日本の文芸を通して関心は人物に向かった見事な老後の過ごし方だった。

ちなみに最近、キーンは太平洋戦争中、ボルダーコロラド大学日本語養成学校にいたボルダーボーイだったことを知った。私もボルダーボーイズだ。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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