日々思うこと

kindle電子出版体験記

冨田鋼一郎

Kindle電子書籍出版の体験をお伝えします。

知り合いから本を出すなら、電子出版があると教えられたことがきっかけです。

これまでに文芸・美術関連10冊を出しました。

  1. 『論考 蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』
  2. 『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』
  3. 『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』
  4. 『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』
  5. 『夢ハ何々(なぞなぞ)呉春三十六歌仙画巻』
  6. 『新説 「蕪(ぶ)」とはなにか 蕪村「倣惲南田花卉図」』
  7. 『漱石さんの見る21世紀』
  8. 『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』
  9. 『漱石さんにみる良い師、良い友とは』
  10. 『漱石さん詞華集(アンソロジー)』

若い人はKindle月極読み放題に加入していることが多いようですが、私は利用していません。
kindleとは、読者としてではなく、著者として関わることになりました。

「電子出版、これが21世紀なのか」、と新しい世界を見た思いです。

まだ数ヶ月の体験ですが、いくつかその驚きをご紹介します。

1.本の流通は全て中抜きとなります

著者と読書がKindleを通じて直接結ばれます。従って、書店の本棚は不要です。
出版社の仕事(編集、校正、校閲、装幀、表紙・帯文、レイアウト、印刷部数と価格決定、印刷、製本、宣伝)は、著者の裁量です。そもそも電子書籍なので、印刷部数を決める必要がありません。また、絶版や返品もありません。

2.Kindleの役割

  • 申請されたドラフトについて AIによる審査。3日以内に承認。
  • 審査は内容の良し悪しではなく、最低限のルールを遵守しているかのチェックのようです。
  • 承認後、直ちに配信(販売)。
  • 紙媒体希望者にはKindleにて対応。
  • 事後管理と代金回収はKindleの役割。著者は販売状況を常時確認可能。

3.販売開始と同時に諸外国語に自動翻訳

読者が、希望する言語、レイアウト、字の大きさを設定します。
従ってマーケットは世界に広がっています。これが最も驚いたことです。

4.初期費用はゼロ!

これまで自費出版には費用がかかりましたが、これで高い壁は取り払われました。

出版社、書店や物流関連は大きく変わっていくのでしょう。新聞も図書館も変化を迫られています。紙媒体ものはトリアージ(選別)が進みそうです。

わずか数ヶ月の体験感想なので、良いことづくめではないかもしれません。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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