冨田鋼一郎
本書は、松村呉春自筆の紙本淡彩の絵巻物『三十六歌仙画巻』を紹介するものです。
この巻物には、三つの特徴があります。
藤原公任が選んだ歌仙三十六名の絵姿に添えるのは、和歌でなく、野々口立圃の「休息歌仙」の句です。
三十六歌仙の絵姿は、最初の六名のみ正装着で正座姿だが、他の三十名は日常着で遊戯をしている。
途中に謎かけ、著名俳人の句や老人・娘のつぶやきが挿入されている。
呉春の同種作品は未完成を含めて複数存在するが、この巻物の完成度は高い。
冨田 鋼一郎 著
本体価格 500円 (税込み)
第1章 口絵
第2章 序章【呉春画巻】との出会い
第3章 作者呉春
第4章 【呉春画巻】に沿って
第5章 【呉春画巻】の独自性
第6章 結び
ABOUT ME

日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)