読書逍遥第254回『北のまほろば』街道をゆく(その3) 司馬遼太郎著
冨田鋼一郎
有秋小春
ラテン、ゲルマン、スラブ、ユダヤ。「ドナウ河畔のアテネ」「超民族の結節点」「世界史の醸造所」、多民族の緊張と融和の中で文化・歴史を紡いだ都市。町を包んでいる文化的な空気に触れて、歴史を一周してきたようなリングシュトラーセ(環状通り)をめぐる。
知らない町全体を旅する。旅とはこのようにして楽しむのか!
専門家でない著者がこんな本を書いたということにも驚き。幅広い分野に関心を寄せた著者の力が遺憾無く発揮された一冊。
ウィーンを彩る人、人、人。(順不同)
フランツ・ヨーゼフ、シュテファン・ツヴァイク、イヴァノヴィッチ、ヨハン・シュトラウス、グスタフ・クリムト、リヒァルト・ワーグナー、グスタフ・マーラー、ブラームス、ブルックナー、アドルフ・ヒトラー、ボルツマン、シェーンベルク、ヴィトゲンシュタイン、ハーフマンスタール、ザメンホフ、ジークムント・フロイトドップラー、フッサール、ライヘンバッハ、ショーペンハウアー、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、フランツ・シューベルト、ロベルト・ムージル、フランツ・カフカ、マルクス・アウレリウス、ハインリヒ・ハイネ、ヴィルヘルム・ミューラー、エゴン・シーレ、ヨーゼフ・スターリン、トロツキー、パブロ・カザルス、ブルーノ・ワルター、クララ・シューマン、シュニッツラー