読書逍遥

第20回『ケネディの道』セオドア・ソレンセン

冨田鋼一郎

『ケネディの道』セオドア・ソレンセン

KENNEDY by Theodore C. Sorensen, Harper & Row, New York 1965

1953年、ケネディ下院議員当時、事務所スタッフとして採用面接をうけてから、1963年の非業の別れまでの11年間、文字通り「分身」として支えた。
ソレンセン25歳から36歳、最も長くケネディと時間をともにしたスピーチライターによる伝記。

ケネディは、11歳もの歳の差で文才ある若者をよく見いだしたものだ。

JFK 1917-1963
ロバートケネディ1925-1968
ロバートマクナマラ1916-2009
セオドアソレンセン1928-2010

人柄を伝える印象的な事柄を羅列する。
・初めての出会い 面接二回5分
・ジャクリーン夫人ケネディ評「幻想を持たない理想主義者」
・無限の好奇心(人間、場所、過去、現在、未来何でも) 、特に歴史に学ぶ姿勢
・ソレンセンの手による数多のスピーチ原稿
・日々の姿勢 弛まぬ自己学習と人間的成長
・政治家としての成長 セントローレンス水路法案 地方本位か国家本位かの葛藤
・『勇気ある人々』代筆疑惑決着顛末
・大統領選出馬 知識人顧問団の存在
・ニクソンとのテレビ討論
・大統領就任までの72日間  ロバートケネディの役割 就任演説準備
・多士済々の組閣人事 マクナマラのワシントン入り
・個人秘書ミセスリンカーン
・人々からの投書への返信署名への不満
・ケネディの電話代役
・ソレンセンへの電話取次事件
・1961年2日間のケネディクルシチョフ会談 違いを知るきっかけとその後の往復書簡へ
・キューバ危機下におけるロバートのリーダー資質
・ホワイトハウスを去った後のキャリア計画について 回顧録執筆の夢

マクナマラのJFKへの最大級の言葉
‘JFK saw the world as history. He took the long view.’

ソレンセンの言葉
「彼を失った地球は、小さくなったように思われる」

大事に臨んで異なる意見に耳を傾けて、迷ったり悩んだりする姿勢こそブレーキとなる。効きのよいブレーキを持つリーダーを見る思いだ。

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました