読書逍遥第240回 『フェルメールと天才科学者』副題 17世紀オランダの「光と視覚」の革命
冨田鋼一郎
有秋小春
フランシス・クリック(1916-2004)は、ジェームズ・ワトソンと共にDNAの構造が二重らせんであることを発見したことで知られる。
さらに大きな功績は、その遺伝暗号を突き止めたことだがあまり知られていない。さらに晩年には「意識の謎」に取り組んだ。今日の分子生物学の発展はクリックから始まる。
著者のマット・リドレー(1958- )は、イギリスの貴族にして科学ジャーナリスト、科学・経済啓蒙家で、イギリス貴\族院議員。『ゲノムが語る23の物語』『やわらかな遺伝子』『繁栄』『進化は万能である』『人類とイノベーション』『徳の起源』など。集団としての人類に信頼を寄せるリドレーの著作は全てお薦め。