読書逍遥第251回『街道をゆく 中国・びんのみち』(その5最後) 司馬遼太郎著
冨田鋼一郎
有秋小春
著者: ニール・マクレガー(ロンドン・ナショナルギャラリー館長、大英博物館館長として都合27年歴任)
発行: 河出書房新社 2022年
「我々は神々とともに生きてきた。見えざるものへの畏怖が、神へ、信仰へと発展した人類4万年の歴史、、、」。
神々との対話という視点で人類の歴史を眺める。
私はこのような見方をしたことがなかった。
なぜ4万年前から始めるのか。
その疑問の答は、上巻表紙にあるライオンマンにあった。
世界の宝物文化財を見てきた著者が語る優れた壮大な心の旅。写真多数。
筆者は英国人故にどうしても西洋美術に偏りがちだが、アジア、アフリカ、アメリカなど諸文明にも公平な目配りの配慮が感じられる。
翻訳もこなれていて楽しめる。