読書逍遥第265回『嵯峨散歩、仙台・石巻』(その4) 司馬遼太郎著
冨田鋼一郎
有秋小春
副題 生命と医療の本質を探る
原題 The Song of the Cell
An Exploration of Medicine and the New Human
器官の話は、血液から心臓を経て、骨の話題に移る
「骨」の損傷と修復
骨はどこまで成長すればいいのか、どこで成長を止めるべきかを知っている。
絶え間なく自己治癒を繰り返し、自己修復する骨
骨と軟骨はどのように成長するのか、また、それらはどのように衰えるのか
なぜ造血細胞は、骨の内部の骨髄に存在し、脳や腸管に存在しないのか
器官の一般原則
・胎生期 秩序だったパターンをたどる
・成人期の器官 組織の維持や修復のパターンが組織ごとに異なる
肝臓、胃は半分、切り取ったら残った細胞が分裂、増殖し元のサイズに戻す
脳、骨髄、肝臓は、一度分裂をやめたら再生のための分裂はしない
ホメオスタシス(内部環境の恒常性)について
・細胞が細胞内部の状態を一定に保つ仕組み
・健康な体が、代謝や環境の変化(塩分負荷、老廃物排出、糖代謝)に順応する仕組み
・損傷と修復のバランスの維持のための仕組み
死とは、衰退と若返りの力の相対的バランスも変化によって説明できる
ちょうど強風にあおられたミサゴが、もはや空中に止まれなくなるように。