日々思うこと

岩波「世界」リニューアル新編集長、堀由貴子さん

冨田鋼一郎

朝日新聞(11月28日)「ひと」記事から

岩波の月刊誌「世界」がリニューアルされるという。

出版業界はすっかり落ち目だ。先日、週刊朝日が廃刊になり、「世界」「中央公論」も廃刊は時間の問題かと勝手に危ぶんでいた。

ところが、若い女性編集長が装いを新たにするだけでなく、魂を入れ替えるという。

「自分の足元と、世界で起きていることがつながっていることを示す。読めば、自分は無力ではない、それでも社会を変えていきたいと思える。それが「世界」だと。」

この意気や良し!

「男性ばかりだった寄稿者をほぼ男女半数に」

今の時代に合わせる!

大きな役割を自分に与えて果敢に挑む。エールを送りたい。

雑誌の編集の難しさは、単行本のそれの比でない。毎月、雑多な断片を一冊にまとめる工夫が必要だ。

雑誌の編集者(editor)だった外山滋比古さんは、人生を雑誌の編集になぞらえている。

「今までバラバラにやってきた自分の人生の断片を、最後へきて、どうしたら全体的な調和、ふくらみにしてゆくか?」

「ライフワークとは、それまでバラバラになっていた断片につながりを与えて、ある有機的な統一をもたらしてゆくひとつの奇跡、個人の奇跡を行うこと」と言った。

各自、雑誌編集の役割を求められている。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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