日々思うこと

「変わる刑務所」 朝日新聞グローブ 262号2022.9.4

冨田鋼一郎
ノルウェーの受刑者が過ごすコテージ。リゾート地の山小屋でくつろぐ人たちかと見紛う。

世界は大きく変わっている。刑務所にその一端を見る。ノルウェー、イタリア、シンガポール、長崎の刑務所からの報告。特にノルウェーが印象深い。

「ノーマリティの原則」
「刑務所は更生と社会復帰のためにある。良き隣人を育て、釈放すること」
「あなたはどんな人に隣人になってほしいですか」
「刑務官は受刑者にとって更生への伴走者」
「人道的処遇で人は反省するのか」
「憎しみや悲しみだけでは結局不寛容な社会になっていく」
「厳罰を求める被害者の気持ちにどう向き合うか」
「加害者支援と被害者支援はセットで」
「懲らしめるだけでは反省する人はいない」
「刑務所に来て感じたことは、助けてもらった、気遣ってもらったという感覚」

昨年のスリランカ女性の収容中事件の記憶が新しいだけにとても考えさせられた。
これこそ新聞報道に求めたいもの。

同日の「人を人として受け入れる日本へ」は同じ問題意識の記事。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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