チャールトン・ヘストン主演『ベン・ハー』MGM映画カタログ
冨田鋼一郎
有秋小春
マッコウクジラの歯に彫りつけた工芸品
19世紀の捕鯨全盛期には、乗船は3年から4年がかりとなる
船員の過酷な労働の合間の手慰みにつくった
海の男暮らしの無言の証言者
スクリムショーは、アメリカ人による唯一の伝統工芸品(除くインディアン)
JFKはスクリムショーのコレクター
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(wilipedia)
scrimshawスクリムショー
― 鯨捕りの芸術』
この時代の捕鯨船は、現代とは違って、いったん港を出ると2年から4年という長い歳月を経なければ母港へ戻ることはなかった
その理由は船倉一杯に鯨油が貯まらなければ帰港しなかったからです。一頭のクジラを捕らえたあと次のクジラを捕らえるまでに数ヶ月が過ぎることもあったようで、その間、あちこちの港に薪炭や水、あるいは食料の補給のために寄港することがあったにせよ、来る日も来る日も波に揺れる狭い船内で鯨との出会いを待つ毎日は、想像を絶する過酷なもので、何か気が紛れることをしていないとどうしようもなかった筈です。
だから航海中の船の中で唯一手に入るマッコウクジラの歯を材料にした彫り物が、捕鯨船の船員の手で作られるようになったのです。