読書逍遥

読書逍遥第130回 『海の歴史』ジャック・アタリ著

冨田鋼一郎

『海の歴史』ジャック・アタリ著

副題 海を支配する者が世界を制覇する

(イントロダクションより)
海には、富と未来の全てが凝縮されている。海を破壊し始めた人類は、海によって滅びるだろう。われわれは海を熟考しなければならない。

われわれは海のことを知らないから大切にしないのだ。

海は人間性を映し出す鏡である。海は極めて重要な財産であり、われわれはこれを借り受けているに過ぎない。

☆☆☆☆

本書は「海から眺める人類文明史」。海の歴史は驚きに満ちている。何故なら全ては海で起きたからだ。

宇宙は、物理学・化学法則が貫徹するだけなので、ある意味単純で、無味乾燥だ。

一方で、海は生物学の法則とヒトの手が加わるため、非常に複雑で、謎に満ちている。

地球における海の役割り理解は遥かに遅れている。

地球沸騰が顕在化するなか、海・陸地・大気のメカニズムと、海と人を含む全生物との関係解明は喫緊の課題である。

(大事なデータ)
地球にある海水の総量は、一辺が1,000キロメートルの立方体に収まってしまう。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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