読書逍遥第328回 短編小説『太郎坊』幸田露伴著
冨田鋼一郎
有秋小春
副題 海を支配する者が世界を制覇する
(イントロダクションより)
海には、富と未来の全てが凝縮されている。海を破壊し始めた人類は、海によって滅びるだろう。われわれは海を熟考しなければならない。
われわれは海のことを知らないから大切にしないのだ。
海は人間性を映し出す鏡である。海は極めて重要な財産であり、われわれはこれを借り受けているに過ぎない。
☆☆☆☆
本書は「海から眺める人類文明史」。海の歴史は驚きに満ちている。何故なら全ては海で起きたからだ。
宇宙は、物理学・化学法則が貫徹するだけなので、ある意味単純で、無味乾燥だ。
一方で、海は生物学の法則とヒトの手が加わるため、非常に複雑で、謎に満ちている。
地球における海の役割り理解は遥かに遅れている。
地球沸騰が顕在化するなか、海・陸地・大気のメカニズムと、海と人を含む全生物との関係解明は喫緊の課題である。
(大事なデータ)
地球にある海水の総量は、一辺が1,000キロメートルの立方体に収まってしまう。