読書逍遥

読書逍遥第126回 『太祇俳句新釈』岡倉谷人著『太祇全集』

冨田鋼一郎

『太祇俳句新釈』岡倉谷人著『太祇全集』

炭太祇(たんたいぎ1709-1771)

「天明・中興期」の俳人。蕪村の盟友。明和期には与謝蕪村の三菓社結成に参加した。

蕪村主宰の句会に参加。人事句を得意とし、蕪村の作風に大きな影響を与えた。

⭕️山路来て向ふ城下や凧の数

⭕️な折そと折てくれけり園の梅

⭕️ふらこゝの会釈こぼるゝや高みより

⭕️川の香やほのかに東風の渡りけり

⭕️ふり向けば灯ともす関や夕霞

⭕️春もやゝ遠目に白し梅の花

⭕️扨(さて)永き日の行方や老の坂

⭕️山吹や葉に花に葉に花に葉に

⭕️心程牡丹の撓む日数かな

⭕️幟立つ母なる遊女なりけらし

⭕️うつす手に光る蛍や指の股

⭕️橋落ちて人岸に在り夏の月

⭕️初恋や灯籠によする顔と顔

⭕️飛蛍あれと云はむもひとり哉

⭕️ひとり居や足の湯湧す秋の暮

⭕️空遠く声合わせ行小鳥かな

⭕️秋の暮自問自答の気の弱り

⭕️秋さびしおぼえたる句を皆申す

⭕️掃けるが終には掃かず落葉哉

⭕️寒き日の風にのり行童かな

⭕️うつくしき日和になりぬ雪の上

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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