漱石は、生前に自選講演集を出した時、本の題名を「社会と自分」と名付けた。その理由は何か。
「道楽と職業」「現代日本の開化」「中味と形式」「私の個人主義」などの有名な講演録だ。
漱石は、題名を「社会と自分」としたのは、講演テーマのどれもが「人間(自分)」を「社会」とに関係しているからと言っている。
生きることは、「社会と自分」から離れることはない。生涯の研究対象とすべきと据えていたことの表れである。
よくぞ貴重な肉声を筆記しておいてくれたと思う。私たち100年後の日本人へも心に響く言葉の数々。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)