作品・本・人物紹介

蕪村最初期の「倣惲南田花卉図」

冨田鋼一郎

蕪村の最初期(寛保元年1741)の絵画。惲南田の没骨法を習得する目的で画業に精出していた。

春から秋にかけて計40図描いている。勢いのある生き生きした画からは、対象の草花を目の前に置いていることがわかる。

早くから絵筆を持つことが楽しくて仕方がなかったようだ。真摯に画の修業に取り組む姿勢が窺える。

惲南田(うんなんでん)(1633~1690)
江蘇省出身の文人画家、書家。

花卉画に専念し、没骨法を用い、輪郭線を描かない独特な画法で、清朝花鳥画の典型をつくった。

萩原朔太郎
「蕪村は、彼のあらゆる絵具箱からすべての花やかな絵具を使って、感傷多き青春の情緒を述べ、印象深く色彩の鮮やかな絵を描いてゐる」(「郷愁の詩人与謝蕪村」)

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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