署名 「浪華四明」
印
「四明山人」(朱方印))
2.0cm x 2.0cm
「淀水」(白文方印))
1.8cm x 1.8cm
蕪村の若い時の画号「四明(しめい)」。「四明」は比叡山四明岳から取ったもの。
同様に、「淀水(でんすい」)は淀川。
淀川の辺りの摂津国東成郡毛馬村で生まれた。
どちらも若い頃、関東遊歴時代に使用し始めている。
この二つの印から推測されることは、20歳ごろに江戸に下った蕪村が、「私は皆さんと違い、比叡山や淀川のある所の出ですよ」と主張したかったのだ。
署名にも、「浪華四明」とわざわざ「浪華」と添えているのも同じ動機。
この頃の作品では、この二つの印を最も頻繁に使っている。
黒い影印は、講談社『蕪村全集』印譜に掲載されているもの。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)