蕪村に関する論文を書きました。
冨田鋼一郎
有秋小春
さか田|有秋小春">
燕
蕪村の燕が280年も飛び続けている
奥羽を巡ったのは、寛保三年(1743)、蕪村28歳、結城にいた時のこと
山形、酒田、秋田、能代、青森、八戸、松島、仙台と時計回りに回った
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蕪村「燕」句
ふためいて金の間を出る燕かな
細き身を子に寄り添ふる燕哉
花に啼く声としもなき乙鳥哉
大津絵に糞落としゆく燕かな
わりなしやつばめ巣つくる塔の前
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蕪村「鶯」句
鶯の枝ふみはづす初音かな
うら道を来て鶯の初音かな
鶯のささうがましき初音哉
古庭に鶯啼きぬ日もすがら
鶯の声遠き日も暮れにけり
うぐひすのあちこちとするや小家がち
鶯を雀歟と見しそれも春
留守もりて鶯遠く聞く日かな
鶯に終日遠し畑の人
うぐひすや家内揃うて飯時分
鶯の啼くや小さき口明ィて
春もやヽやあなうぐひすよむかし声
撞木町うぐひす西に飛び去りぬ
家にあらで鶯きかぬひと日哉
芭蕉句
松島 島々や千々に砕けて夏の海
うぐひすや竹の子藪に老を鳴
うぐひすにほろりと笹の氷かな