読書逍遥第170回 『エクストラライフ』スチーヴン・ジョンソン著 2021刊
冨田鋼一郎
有秋小春
人生は宝探しだと、ぼくは思っている。ただし、何を「宝」と考えるかは、人それぞれにちがうが。言い換えるならば、どんな「宝」を見つけるかで、その人の生涯が決まるのである。一生は、まさにその「宝」にかかっている。
「玉石混淆」などというが、見方を変えるなら、どんなつまらぬ石であっても、それは充分、「玉」になり得るのだ。石を玉に変える術、僕はそれこそが最も賢明な人生の処方であり、旅の仕方だと確信している。
「津軽の至宝」より
森本哲郎さんのこんな文章にどれだけ励まされてきたことか。
彼のものの見方、考え方、感じ方がいつの間にか自分のものになってしまったように感じる。
私の宝は、何もモノに限らず、このような「モノの見方、考え方」だと思うようになった。
この文章には、津軽の三内丸山遺跡を訪ねたことが紹介されている。「諸君、5500年が君たちを見上げているのだ」。
世界の七不思議の遺跡よりも古い集落が日本に!行ったことがない所だらけだ。
私の「石を玉に変える術」を手にしたい。