第6回『チャーチル・ファクター たった一人で歴史と世界を変える力』「ボリス・ジョンソン著(プレジデント社2016)」
冨田鋼一郎
有秋小春


ふらこゝの会釈こぼるゝや高みより
まるで王朝絵巻物を覗くような句。中七の字余りによって、ぶらんこの高みにとどまる少女の笑顔に、カメラの焦点がピタリとあわさった。
ふりむけば灯とぼす関や夕霞
宝暦元年(1751)、奥州への行脚に出立した。徒歩の旅でなければ、このような風情はわからなくなってしまった。
何故振り向いたのだろう。心残りのことがあったのだろうか。都に落ち着くまで、若い頃太祇はよく旅をした。旅で詠んだ句が多い。
貧弱なサクラソウと木瓜がひっそりと隅にさいている。