読書逍遥

第100回 『中世ヨーロッパ全史』(その2)ダン・ジョーンズ

冨田鋼一郎

『中世ヨーロッパ全史』(その2)ダン・ジョーンズ

紀元4世紀から15世紀までの約1,000年にわたるヨーロッパ中世史は、日本の世界史の科目の中で欠落した部分だ。

文明開化に沸いた明治時代に江戸時代を「夜明け前」と捉えたように、ルネサンス、啓蒙の時代から見た中世は封建的な「闇」。

第一部「帝国」(410年頃-750年)
ローマ帝国の崩壊から、蛮族の侵攻、ビザンツ帝国、アラブ帝国の登場まで。

紀元370年が古代世界の終焉、中世の始まり。

この時代の世界は、地中海を中心とした世界。3枚の歴史地図で要約される。

・ローマ帝国とその広大な領土
・476年頃のヨーロッパと地中海
・750年頃までのアラブの大征服

(移動危機の玉突き連鎖)
ドナウ川、ライン川の領土周辺から動揺。
遊牧民フン族(匈奴)→ゴート族がヴォルガ川、ドナウ川を渡り、ローマ帝国領土に侵入。

いつの時代も国境管理は頭を悩ませてきた。
・誰を帝国に入れるか。
・どのくらいの期間どこに住まわせるか。

ビザンツ帝国、アラブ帝国(ウマイヤ朝)の席巻により、世界地図は大きく塗り替えられる。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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