読書逍遥

第96回 寺田寅彦の初期随筆『花物語』

冨田鋼一郎

寺田寅彦の初期随筆『花物語』

寺田寅彦の初期随筆『花物語』は、九つの花にまつわる高知で過ごした少年時代の思い出話だ。

その4番目に「のうぜんかずら」が出てくる。勉強に励む寅彦少年にとって、ノウゼンカズラの花が思い出に色を添える。

土佐藩高知城を囲むお堀脇に寅彦の生家(今は寅彦記念館)がある。庭には半夏生の群生があり、門柱に絡まるようにノウゼンカズラが咲いていた。

因みに、登場する花は、次の通り。
「昼顔」「月見草」「栗の花」「のうぜんかずら」「芭蕉の花」「野バラ」「常山の花」「りんどう」「楝の花」。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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