読書逍遥第294回『中国・蜀と雲南のみち』(その5) 司馬遼太郎著
冨田鋼一郎
有秋小春
紀元4世紀から15世紀までの約1,000年にわたるヨーロッパ中世史は、日本の世界史の科目の中で欠落した部分だ。
今回は、中世を彩る主要なアクターを切り口にして綴る。
・フランク人
・修道士たち
・騎士たち
・十字軍戦士たち
・モンゴル
・商人たち
・学者たち
モンゴル人の外部からの攻勢が、商人、学者、建設者などの新たなアクターの登場を促し、東西間技術・知識・人の行き来を促し、史上最悪のパンデミック(黒死病)蔓延の一因にもなった。
19世紀まで続く帝国管理手法は、モンゴル帝国がパイオニア。
・世界レベルの駅伝システム
・普遍的な法典
・十進法に基づく合理的な軍制改革
・効率的な都市計画
モンゴル帝国(パックス・モンゴリカ)を知らずして、中世史や近世ヨーロッパの形成は理解できない。
ヴェネツィア・ジェノヴァの海上覇権争い、ガレー船、ハンザ同盟、イスラム「知の黄金時代」、アストララーべ(来るべき科学革命の予告)、風車(最初の再生可能エネルギー)、大学の勃興、ボローニア、学者の時代到来、知の継承(アラビヤ語からラテン語への翻訳)、マルコ・ポーロ、トマス・アクィナス。