読書逍遥

読書逍遥第101回 『中世ヨーロッパ全史』(その3)ダン・ジョーンズ

冨田鋼一郎

『中世ヨーロッパ全史』(その3)ダン・ジョーンズ

紀元4世紀から15世紀までの約1,000年にわたるヨーロッパ中世史は、日本の世界史の科目の中で欠落した部分だ。 

今回は、中世を彩る主要なアクターを切り口にして綴る。
・フランク人
・修道士たち
・騎士たち
・十字軍戦士たち
・モンゴル
・商人たち
・学者たち

モンゴル人の外部からの攻勢が、商人、学者、建設者などの新たなアクターの登場を促し、東西間技術・知識・人の行き来を促し、史上最悪のパンデミック(黒死病)蔓延の一因にもなった。

19世紀まで続く帝国管理手法は、モンゴル帝国がパイオニア。
・世界レベルの駅伝システム
・普遍的な法典
・十進法に基づく合理的な軍制改革
・効率的な都市計画

モンゴル帝国(パックス・モンゴリカ)を知らずして、中世史や近世ヨーロッパの形成は理解できない。

ヴェネツィア・ジェノヴァの海上覇権争い、ガレー船、ハンザ同盟、イスラム「知の黄金時代」、アストララーべ(来るべき科学革命の予告)、風車(最初の再生可能エネルギー)、大学の勃興、ボローニア、学者の時代到来、知の継承(アラビヤ語からラテン語への翻訳)、マルコ・ポーロ、トマス・アクィナス。

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました