第54回『神のアルバム』森本哲郎
『神のアルバム』森本哲郎
秋日ミズキの鮮やかな赤い実が目に入ってきた。道端でオシロイバナの黒い実を摘んでみる。
何事も美しく考える著者による「捜神の記」。諸文明と神々は分かちがたい。さまざまな民族がそれぞれに希求した神々の姿を探し、文明の秘密に迫る。
居ながらにして神々を訪ねて著者とともに世界を一巡り。世界を旅して気づくのは、人間の心(宇宙)の底知れぬ奥深さ。玄人はだしのたくさんの写真もありがたい
○オリュンポス ヘブロス川 レスボス島 バルバロイ イソップ ゼウス アポロン ディオニソス 身体と魂 ギリシャ神話
○ヘロドトス イシス オシリス ファラオ メンフィス
○カイバル峠 ガンダーラ シヴァの神 ヨーガ行者 シャーンティ 心を身体から解き放つ エリュトゥラー海 アートマン ブラフマン
○タクラマカン砂漠 タントラの宇宙 ラマ
○シナイ ユダヤ一神教 古代オリエント 唯一神 神は自分の姿に似せて人間をつくり給うた モーセ十戒 ガリラヤ湖 ナザレ
○ヴィア・ドロローサ(十字架の道) イエス ゴルゴダの丘
○アラブ タラマンセット 神の砂漠 シャルル・ド・フコー牧師 青い種族 アッラーによって生かされる アラビアン・ナイト
○モスレム マホメット コーランの秘密 モスク スーク 商習慣 現世肯定 アッラーへの帰依を中心に形成された信仰共同体 モスクが政治も包み込む アラベスクの宇宙像
○ニジェール 布教者もなくアフリカ深部にまで根を下ろしていったのか 信仰は合理的判断のラチ外にある ただそれに基づいて実践すること、生きること、心慰められること ティンブクトゥ ジェンネ
○オリエント バグダード バスラ シュメール 空と大地 天は地上から無限の彼方へ接しているように見える 楔形文字粘土板 「科学」とは対象を客観的に認識しようとする精神の作業 「宗教」とは世界を象徴的に解読しようとする魂の試み
○アッシリア メソポタミア チグリス川 ジグラット ニネヴェ ニムルド
○すがるべき神を見いだせず、保護されているのは肉体だけ、魂は荒野に投げ出されたまま裸同然に生きる現代人
○インディオ文明 アステカ マヤ インカ チチカカ湖 石
○桃花源 李笠翁 気韻生動 ユートピア 武陵桃源
○おくのほそ道 幻住庵記