第67回『炭太祇(たんたいぎ)の句 その7』
冨田鋼一郎
有秋小春
原題: The Deep History of Ourselfs
The Four-Billion-Year Story of How We Got Conscious Brains
単細胞生物からヒトの脳にいたる壮大な物語。
これまで進化生物学は、目・脊椎・顎など身体的な特徴に着目してきたが、脳科学はとうとう情動や意識を40億年の進化のプロセスから捉えることが出来るまでになってきた。
ヒトの特徴である言語、文化、思考や合理性の能力、そして私たちは何者であるかを振り返る能力について理解を深める本。
生成AIの陰では、意識を進化の観点から論じる生物学的理解が進んでいる。ビッグヒストリーならぬディープヒストリーといえる。
さわりだけでもいい、最先端に触れる。
☆☆☆
「ヒトの「意識」を理解する鍵は、地球上に現れた最初の生物からはじまる進化の全貌に迫ることだと主張する。
生命40億年の歴史をたどり、私たちと私たちの祖先との間の類似点を深く掘り下げ、神経系の進化がいかにして生物の生存・繁栄能力を高め、意識の出現を可能にしたのかを探求する。