「友達は絶対に要らないものにはあらず、時によりて厄介になるなり。重荷を背負うて旅行するが如し。背負っているうちは厄介、宿に着けば役に立つ」(大正4年)
私は、とくに昨年頃から高校時代の友人を相次いで亡くしている。先週もひとり先だった。訃報の連絡後、イントラネットに思い出話が飛び交う。60年もの交友が走馬灯のように蘇る。
人生とは、このような思い出の積み重ねなのだろう。
漱石の友情についての断簡を思い出す。ロンドン留学前の熊本時代に書いたメモだ。
「宿に着いたら役に立つ」。どの友人を念頭に書いたのか?正岡子規か?あるいは直前に亡くした米山保三郎だったのか?
[夏椿]
[花筏]
[ハコネウツギ]
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)