私はホモサピエンスと申します。化石燃料(Fossil fuel)依存症です。
冨田鋼一郎
有秋小春
板橋区立美術館で『椿椿山展 軽妙淡麗な色彩と筆あと』に行ってきた。
若き蕪村が清時代の画家、惲南田(うんなんでん)の花卉図を熱心に習っていたことは、Kindle出版『「蕪(ぶ)」とはなにか 蕪村「倣惲南田花卉図」』で紹介した。
しかし、惲南田の輪郭線を用いない技法と淡墨淡彩の画風に日本で最も私淑した文人画家は椿椿山(1801-1854)だ。
師の渡辺崋山から画論について様々教えを乞うている。写意とは何か、気韻生動とはなにか。
対象物にぴったりと寄り添う優しい筆使いと小さな命への眼差し、温雅な作風にしばらく見とれる。
気を衒わず、これ見よがしな所がないので、見飽きない。
花鳥画では、あるいは師の崋山を凌いでいるかもしれない。