日々思うこと

公共(パブリック)の場について(5月24日天声人語から)

冨田鋼一郎

呼吸が穏やかになり、静かに考えさせられた。

奈良県東吉野村に移住した青木海青子さん(39)夫婦が、自宅古民家で蔵書を貸し出す私設図書館を始めた話。

本来の公共の場とは何か?
「何だか、パブリックがやせ細ってきている感覚がないですか」。ドキッとする指摘だ。

今の世の中、交通規則から始まって、決まりを無視する行為と禁止の追いかけごっこの繰り返し。
公共の場は窮屈で居心地が悪い。

良かれと思って乱発する法律、条例、通達は逆効果、裏目となる。自分で考え、判断力を育てていないからだ。教育現場の惨状はいい例だ。

自助・共助・公助の垣根などを取り払って、皆で生活することの本来的意味を考えさせられた。

SNSでの言いっぱなしの罵詈雑言、誹謗中傷などは公共の場とは対極にある。

⭕️畑打や法三章の札の元 蕪村

規則は最低限だった御代の時代と今ではどちらかがいいのだろう。

もう一度「常識を信頼する社会」に戻せないものか。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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