第37回『平生の心がけ』小泉信三
冨田鋼一郎
有秋小春
森本哲郎さんは私にとってかけがえのない人です。
社会人になってすぐの頃、『文明の旅』に出会ってから今日に至るまで折にふれて彼の多岐にわたる著作に触れてきました。
出張や長い旅に出るときには、『吾輩は猫である』と彼のいずれかの本をカバンに入れるのがルーティンでした。
大袈裟ですが、いつのまにか私の心の中に棲みついてしまった数少ない人です。
彼のものの見方、考え方、感じ方は私の中に生きていると感じます。
ここに載せた『書物巡礼記』は、1987年の講演会の後で署名してもらった本です。
鋼一郎さんの「鋼」はどのような字ですかと聞かれたのが、最初で最後の接触でした。
こんな想いをもって、来週板橋区高島平図書館で講演「美しく考える人 森本哲郎の世界」を行います。