読書逍遥第237回 『フェルメールの帽子』2008(その4)原題 Vermeer's Hut ティモシー・ブルック著
冨田鋼一郎
有秋小春
原題:”The Wizard and The Prophet”
Two Remarkable scientists and Their Dueling Visions to Shape Tomorrow’s World
「予言者派」の主張:」自然を守るべく抑制せよ」
「魔術師派」の主張:「科学の力で解決せよ」
地球環境の崩壊を招くことなく、人類が生き延びる道は何か。
人類が直面する環境上の難問を、土(農業・食料生産)、水(飲料水)、火(エネルギー)、空気(気候変動)に分けて、二派がどのように課題に向き合い、解決を目指してきたか。
どちらがより良い社会を築けるのか、一人ひとりに問いかける問題作。
多くの事例を「魔術師と予言者」という切り口でスリリングにまとめた労作。
著名なサイエンスライターによる面目躍如の一冊!翻訳もこなれている。
このようなスケールの大きいオリジナリティ溢れたノンフィクションが好きだ。