読書逍遥第112回 『ホスピスが美術館になる日』横川善正著
冨田鋼一郎
有秋小春
青鉛筆を手に取って読み出した。
プロローグでたちまち芳賀ワールドに惹き込まれてしまう。
感動が至る所に散りばめられている。
先生の心踊るような文章の秘密は何だろう。語彙の豊富さか、比較文化の視点の面白さか、言い回しの巧みさか、主張の明確さなのか。
長い「あとがき」では、思索研究、執筆、出版に至るまでの舞台裏を垣間見ることが出来る。
また、巻末の江戸略年譜、参考文献、人名索引は貴重なデータだ。