第65回『炭太祇(たんたいぎ)の句 その5』
冨田鋼一郎
有秋小春
<これからの世界・時代についてだれもが抱く疑問>
21世紀は、20世紀と何が異なるのか。
新しい世紀の特徴を事典の形で例示した。フランスの碩学・知の巨人は、今世紀初頭に洞察してくれていた。読者を思索に誘う本。
・人類をみな養うことははたしてできるのか?
・貧困を根絶できるのか?
・すべての人に仕事はあるのか?
・富はどの地域に集中するのか?
・科学は人生のあり方、苦しみ、死、教育、娯楽といったもののあり方を変えるだろうか?
・どんな企業が生き延びるのか?
・どんな野心、どんな冒険が人びとを熱中させるのか?
・どんな戦争、どんな環境破壊が脅威となるのか?
・自由と連帯の間の矛盾や、移動と定住の間は調整されるのか?
・宗教や政治はどんな位置を占めるのか?
どんな風俗が許されるのか?
・西欧は支配的な文明であり続けるのか?
・アメリカはその地政学的優位を維持し続けるのか?
・ヨーロッパは政治的勢力となるのか?
・フランスは世界情勢について言うべき言葉をもち続けるのか?
・そしてイスラムは?
・市場や民主主義を越えるものは何かあるか?
・革命は再び可能か?
・人びとはまだ一緒に生きていくことができるのだろうか?
☆☆☆
【21世紀とは】
「炸裂し、歓喜にみち、野蛮で、幸福で、常軌を逸し、怪物のようで、生存不可能で、解放的で、恐ろしく、宗教的で、あるいは無宗教である・・・・これが21世紀だろう」
「20世紀は悪魔の世紀だった。20世紀が次代に遺贈するのは、とても生きてはいけない世界である。
貧しい人びとは、崩壊した都市に住むことを余儀なくされ、息をすることさえできず、――悲惨の中で窒息してしまう。
その一方で、富は豊かな者に集中し、種々の誘惑のもとに埋葬される、――(こちらは)豪奢のために窒息してしまうのである。」
☆☆☆
栃の木
鳳仙花