Tiffany Studios Ivy Leaf Card Box
冨田鋼一郎
有秋小春
印 朱文小豆瓢型印「登」
文治1(1185)年、兄である源頼朝と不仲になっていた義経は、静御前とともに京都を離れる。しかし翌年、雪の降る大和国吉野山の山中で、義経の身の安全を配慮して静御前は義経と別れる。ここで静御前は捕まり、母・磯禅師とともに鎌倉へ送られる。
しづやしづしづのをだまきくり返し昔を今になすよしもがな
吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人の跡ぞ恋しき
頼朝と妻・北条政子に命じられて、鶴岡八幡宮の社前で静御前が舞ったときの歌。どちらも義経を恋い慕う内容で、頼朝を激怒させましたが、政子が「自分も同じ立場ならこうする」と取りなして、命を助けられた。
風に尾花などがなびく中を、義経と別れて難を逃れようと先を急ぐ静御前。衣装にほどこされた朱、藍、茶の淡い色彩が印象深い。細い面相筆で描いたもの。
平安時代末期から鎌倉時代初期の女性。母は白拍子の磯禅師。源義経の妾。