骨董品

江森月居筆句短冊

冨田鋼一郎
H36.2 x W6.0 (cm)

觜(くち)とあしミそきにそゝけ都鳥 月居

季語:禊(みそぎ)(夏)
禊祓:大祓。古来、6月と12月の晦(つごもり)に、親王以下在京の百官を朱雀門前の広場に集めて、万民の罪や穢れを祓った神事。現在も宮中を初め全国各神社で行われる。みそぎはらえ、おおはらい。

大川の都鳥よ。おまえたちも大祓の今日、くちばしと足をお祓いして、穢れを洗ってさっぱりしてはどうか。

伊勢物語の隅田川の都鳥を踏まえた句であろう。本文に「觜と足とあかき」と出てくる。

江森月居(えもりげっきょ1756-1824)

江戸中・後期の俳人。京都生。名は師心、国学は荒木田久老・村田春門に学び、俳諧は与謝蕪村門の高弟で高井几董と共に蕪村門の双璧と称された。寛政二年(1790)二条家雪月花の会に加藤暁台・井上士朗と共に銅駝御殿に召され、百韻の連句を興行した一人。東の道彦・中京の士朗と共に時の三大家と称された。著書に『夜あかし』がある。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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