H35.5 x W5.5 (cm)
季語:月(秋)
外山(とやま):端の山。人里に近い山。⇔深山(奥深い山。おくやま。)
夕ぐれだろうか。家の中から月の出掛った周囲の山々を見渡してみる。人里近い山々にも秋一色の景色だ。
日々秋の深まりを感じるこの頃だが、ここらもこの春には満面の桜花で覆われていたなあ。春が待ち遠しいものだ。心の中で春と秋がつながる。
平明雅馴な筆致である。自然と四季を愛する女性らしいやさしい気持ちとともに、どこか孤閨のわびしさをも感じさせる。薄幸の裡に早くから出家の志を抱き、ようやく六十にして剃髪したのだが、その作品には全く宗教臭をとどめない。
星布の短冊はめずらしい。
江戸中・後期の俳人。初号は芝紅。初め白井鳥酔門、のち加舎白雄門。
ABOUT ME

日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)