牧野貞喜筆「吹ぬよの」句小短冊、木村武山「瓢箪画」貼り込み幅
冨田鋼一郎
有秋小春
額裏署名「春秋帖 風生」
山道の掃いてありたる初詣 風生
まさをなる空よりしだれざくらかな 風生
邯鄲の音は湖上にもみちにけり 風生
朴一樹もて緑陰をなせりけり
風生
冬草や黙々たりし父の愛 風生
額裏面「春秋帖 風生 印」
風生の四季おりおりの代表句5句色紙を張り混ぜにあしらった額。小さな色紙と扇面である。
句作の年代は、初期から晩年まで網羅されており、晩年になってまとめて染筆したもの。
俳人。本名は謙次。愛知県生まれ。植物に詳しかったため、「植木屋の富安」の意で「植富(うえとみ)」のあだ名で呼ばれた。