骨董品

「冬夜読書」黄葉夕陽村舎詩

冨田鋼一郎

菅茶山(かんちゃざん1748-1817)

雪擁山堂樹影深
憺鈴不動夜沈沈
閑収乱帙思疑義
一穂青灯万古心


「冬夜書を読む」
雪は山堂を擁して樹影深し
憺鈴動かず夜沈沈
閑かに乱帙を収めて疑義を思ふ
一穂の青灯万古の心

☆☆☆☆

(短歌)

使いたる鉛筆まとめて削りおき
  今日の終りの筆箱を閉ず  修平

☆☆☆

読み散らした本を整頓し、鉛筆を削りながら、読書で散らかってしまった頭の中をあれこれ反芻してみる。

平凡な一日を静かに終える。菅茶山と父、時代は離れているが、いつの世もこのような反省を伴う日々の積み重ねだ。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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