冨田鋼一郎
もの涼し春日(かすが)の巫女(みこ)の眼にほれた 子規
箱書き: 河東碧梧桐
季語:涼し(夏)
子規(1867~1902)は、郷里松山と東京を何度か往復している。
道中で奈良春日大社に立ち寄ったことがあったのだろう。巫女さんの涼しげな目元に惚れてしまった。
子規は、恋愛体験があったのだろうか。亡くなる直前の「渡辺のお嬢さん事件」は、印象的である。
蕪村の類似句。
○かはほりやむかひの女房こちを見る 蕪村
季語:かはほり(夏)
○酒を煮る家の女房ちよとほれた 蕪村
季語:酒煮(夏)
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)