東ドイツ記念通貨5マルク白銅 未使用オットー・リリエンタール生誕125年記念
冨田鋼一郎
有秋小春
長き日を云ハでくるるや壬生念仏 夜半翁
印 「登」(朱文方印)
季語:長き日(春)
蕪村の句「長き日を」を賛にして、壬生踊りに興じる男女の踊る姿を描いた。
壬生念仏の面白さに、長い春の一日を退屈だなどと口に出す間もなくて、日は暮れてゆく。
壬生念仏は、京都壬生寺で毎年陰暦3月14日から10日間行われる念仏会の折、寺内の狂言堂で開催される仮面をつけての黙劇。
念仏会が終わると、夏になる。今年の立夏は5月5日。
崋山は、俳画の名手としての蕪村を意識していた。江戸時代を代表する文化人の二人、崋山と蕪村の具体的な繋がりを伝える作品。
踊る男女は、永遠に踊り続けているような錯覚を覚える。画も賛も蕪村と見紛うばかりの筆致である。
スケッチの名手である崋山は、蕪村同様に名もなき庶民の一瞬のしぐさを捉える卓越した力があることがわかる。