骨董品

中川乙由筆「指月図」自画賛幅

冨田鋼一郎

指さすハこヽろの雲やけふの月 麦林 印「乙由」

季語:けふの月(秋)
布袋:唐末の明州に実在したとされる伝説的な僧。水墨画の好画題とされ、大きな袋を背負った太鼓腹の僧侶の姿で描かれる。日本では七福神の一柱として信仰されている。

布袋さんが月を指さしている。今年の名月はうす雲が多少かかってしまったようだ。

中川乙由 (なかがわ おつゆう 1675-1739)

江戸中期の俳人。別号、麦林舎。伊勢の人で、新屋を営む富商。俳諧に遊び一代で産を傾け、麦林舎を結んだ。初め松尾芭蕉に接し、のち岩田涼菟に師事。さらには各務支考に学び、俳人としての地位を高めていった。涼菟の没後、伊勢俳壇の中心人物となり、麦林派を提唱。のちに支麦の徒と称される田舎蕉門の一翼を担う活動を示すが、その勢力は全国におよんだ。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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