冨田鋼一郎
風生は、避暑は箱根、避寒は興津と決まっていた。さわやかな夏風の吹き渡る別荘地で、ゆったりと流れる時間を味わっている。
宮田重雄が、夏野菜の代表であるナスの生命力あふれる絵を配している。
昭和32年『愛日抄』所収 風生72歳。俳句三昧の老後。まだ老境に達したというには早い頃の句。これから先20年にわたる長い本当の老後は、「偉大な平凡人」と言われるほど悠々たるものであった。
日本の画家、医師。愛知県名古屋市出身。慶応義塾大学医学部卒業。医療に従事するかわたら洋画家梅原龍三郎に師事。小説の挿絵も多く手がけ、NHKラジオ「二十の瞳」のレギュラー出演者となって国民的に知られる。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)