読書逍遥

読書逍遥第203回 『運び屋として生きる』石灘早紀著

冨田鋼一郎

『運び屋として生きる』石灘早紀著

副題 モロッコ・スペイン領セウタの国家管理下の「密輸」

[著者略歴]
石灘早紀1990年生まれ。2021年、一橋大学大学院社会学研究科修了。専攻は国際社会学、モロッコ・スペイン領セウタ研究。
毎日新聞社記者、在モロッコ日本国大使館派遣員を経て、現在、国際開発コンサルティング会社勤務。

若手日本人研究者による珍しい本が出た。

セウタとメリリョの地名を聞いて、すぐ場所が思い当たる人は少ない。

セウタとメリリョは、モロッコの領土にあるスペインの飛び地。スペインからジブラルタル海峡の対岸にある。
モロッコから返還を求められているが、スペインが飛び地を固執する理由はなんだろう?

この飛び地は、曲がりなりにもEUに属する土地であるので、アフリカからの難民が命をかけて入り込もうとする。

合法でも違法でもない「密輸」の実態を現場から報告する。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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