読書逍遥

読書逍遥第166回 『江戸という幻景』渡辺京二著

冨田鋼一郎

『江戸という幻景』渡辺京二著

(「近世畸人伝」伴蒿蹊抜粋)

「摂津国に富豪でありながら儒学に長じ、しばしば世に陰徳を施した男がいた。この男が死んだとき、遠近から男女群れ集って泣き悲しむこと、ちょうどお釈迦様の入滅なさったときもこうだったかと思わせるほどだった。
一人の無知な老婆が言うことには、「これほど学問なさってさえも善い人であったのなら、もし学問なさらなかったなら、どれほど善いであったかなあ」

この人にとっては、学問をすると悪い人になってしまう。よき人になるためには学問は妨げ以外の何ものでもなかった。

人はなぜ学ぶのか?
 テストで良い点を取るため?
 出世するため?
 心の細胞をリフレッシュするため

「自己実現」とは
 「真の大丈夫」になること
 →自分がなることのできる最高の自分になること

「道化師のソネット」 さだまさし
 笑ってよ君のために
 笑ってよ僕のために
 僕らは別々の山を
 それぞれの高さ目指して
 息もつかずにのぼってゆく
 山びとのようだね

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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