パリ市内歴史的建造物をめぐる男子・女子マラソン
冨田鋼一郎
有秋小春
珍しくスタバで出会った学生と話し込んだ。
行きつけのスタバでよくこの青年と出会う。フレンドリーで目が合うと「おはよう」と声をかける仲になった。
今日は彼がアルフォンス・ミュシャの画集を熱心に見ながら、ノートに細かく描き込んでいるのを見かけた。
大テープルの向かい側に座り、「ミュシャが好きなの?」と声をかけてみた。キラキラした目て「好きです!」と言う。
これがきっかけで、1時間ほど話し込んでしまった。
彼は観光学部に通う大学1年生。学校の授業が楽しいと言う。
大学の教授は、自分の専門のことでも分からないことだらけという姿勢で話してくれる。これが新鮮で嬉しいそうだ。
高校のときは、白か黒か、正か疑か、丸かバツか、そんなことばかりだったと言う。
大学の授業に幻滅する学生が多いなか、彼は大学ライフをうまくスタートしたようだ。
こんなことから、私は、私の授業風景と学生の反応を思い出しながら話した。
オリエンテーションは、「トミタワールドにようこそ。これから皆を見知らぬ世界に案内するよ」からはじまる。
最後の講義では、「いま皆さんはトミタ丸で太平洋のど真ん中に来ています。ここで船から飛び降りてください。そして、自分の信じる方向に泳いで行ってください。私も船から飛び降りたいが、泳げないので飛び込むことができません」で終わる。
期末感想文では、「そうか、トミタ丸は船だっのか。私は気球に乗って空高く飛んでいったような気がします」と書いた学生がいた。
こんなわけのわからない変な授業をしてたよ。
彼は、「面白いですね。こんな授業。うちの学校でも聞いてみたい」。
これから学校だそうだ。我ながらよく10年も続いたものだ。
ホリデーシーズンになった。
[コエビソウ]
[シクラメン]