10月21日は国際反戦デー

10月21日は国際反戦デーだそうだ。
秋の空を見上げて、ガザの空と人々に想いを馳せる。
ジャック・アタリは、21世紀の「平和」「戦争」についてどのように語っているか。
『21世紀事典』(1998年執筆)から「エルサレム」「平和」「戦争」の項目を読み返してみた。以下、抜粋。
☆☆☆☆
<エルサレム>
少なくとも3つの文明が誕生した場所。宗教・政治・民族・地勢・経済の矛盾は頂点に達している。
正当であると同時に、矛盾する諸権利を認めた上で、人々を一緒に生活させる方法を見出す必要がある。
そのためには、複数の市民権を作ることによって、この都市をいくつかの国家の首都とするとともに、複数国籍と「国境なき民主主義」のための前衛となる国際都市につくりあげなければならない。
<平和>
21世紀は原則的に、20世紀より平和になるだろう。
なぜなら世界化が国境の意味を空虚にし、戦争を自殺的なものにするからである。
また武器があまりにも有効となり、最初の一斉射撃で地球を破壊する危険性があるからである。
とは言え、戦争の原因―地政学的、経済的、異民族敵視―はなくなることはないだろう。
いったんこのような火事が起こってしまったら、いかなる超大国も、いかなる同盟も、いかなる地域的、あるいは地球的組織も、この火災の拡大を防ぐ法的、財政的、軍事的方法を持たないだろう。
平和はおそらく2つの紛争のつかのまの状態にすぎないだろう。
<戦争>(部分)
未来の戦争は、おそらく3つのタイプに分類できる。
1 、文明の境界におけるもの
・ロシア シベリアの支配を巡って中国と
クリミアを巡ってウクライナと
・セルビアはコソボを巡ってアルバニアとマケドニアと
・インドはカシミールを巡ってパキスタンと
・アメリカは東アジアを巡って中国と
・イスラムと西欧間では、地中海と中東地域で
2、文明の内部の対立で
フロイトのいうところの「小さな相違の自己陶酔」に煽られた存在を賭けた紛争が絶えないだろう。
それぞれは領土に先に定着していたことを主張して、互いに正当防衛の立場にあるものの、迫害され衰亡を運命付けられている。
国境は次第に穴だらけのものになり、地域的に限定された混沌に向かって進むことになる。
3、限られた資源の支配を巡るもの
水をはじめ限りある資源を制圧することは、戦争の、大きな要因になりえよう。
トルコとイラク、エジプトとエチオピア、イスラエルとヨルダン、南アフリカとナミビア、そしてずっと先のことであるがアメリカ合衆国のいくつかの州の間でさえありうることである。
中東は、地球上で最も脅威にさらされた地域であり続ける。戦争の三つの発生源が集中しているからである。