日々思うこと

6月8日に「漱石さんの学ぶ教えるとは」の講演予定

冨田鋼一郎

そんな中、内田樹さんの意味深な言葉を見つけた。

「無知」とは、
知識の欠如ではなく、ジャンクな情報で頭がぎっしり詰まっていて、新しい情報の入力ができない状態のこと。

「学び」とは、
入力があるたびに、それを容れる器そのものの形状や容積が変化していくこと。

「教育」とは、
危うくもあるこのプロセスを生徒が傷つくことなく通過できるよう慮(おもんばか)ること。

@@@@@@

知識をひけらかすのが教師の役割だと思うのは時代錯誤で勘違いも甚しい。

漱石にとっての教師像とはどのようなものだったのか。

「教える」とはなんだろう。そして「学ぶ」とはなんだろう。

漱石が取り組んだ全ての小説の目的は、この問いに答えようとしたものだと考える。

生きていくとは、これを自問自答を繰り返していくことではなかろうか。

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました