作品・本・人物紹介

2016年イタリア映画 ドキュメンタリー『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』 ジャンフランコ・ロージ監督

冨田鋼一郎

立教大学での上映会で見た。これは北アフリカから命がけで地中海を渡ろうとする人々を追ったドキュメンタリー。
チュニジア沖のオリーブ畑の平和な美しい小島、ランぺドゥーサ島に難民が押し寄せる。詩情溢れる映像。

冒頭で難破寸前の小舟から夜中にSOS無線がイタリア海難警備所に届く。
「What is your position?」警備所からの問い掛けに漆黒の闇の中に無言の沈黙が続く。
映画を観ている私たちは、「あなたは難民問題にどのような意見を持っているのか?」と問われている気になり、胸を突かれる。遠い世界の話なの?自分はどう考えているの?

この5年前の映画が強烈に脳裏に残っている。事態は改善するどころか、さらに悪化している。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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